おいでませ 恋はなひらく、湯のさとへ。 #007 今おれは、猛烈に忙しい。


「そ、そんなとこ、触っちゃダメ…まだ、ダメ…っ」
「まだって、いつならいいんだ」
「え?いつって…えーと、あの…」
「言えないなら却下だ」

「えーっ、あの、だから!は、速水さんも、浴衣、ちゃんと脱いでください…!あたしばっかり脱がされてて、なんかズルイです…!」


「…そうか。そうだな…では、きみがおれを脱がせてくれ」

「えぇっ?あた、あたしが?あぅ…んっ」
「ああ…見ての通り、今おれは猛烈に忙しいんだ。一人でゆっくり脱ぐ暇もない」
「な、なんですかそれ…もう、…ぁん」


「はい、おわりましたっ」

「――…な、何ですか…?」
「…してみたいことがあるんだが」
「え…?」

「こうしてみたいんだ――」
「あ…」


「ぁあ…、気持ちいい…――」
「――速、水、さん……」
「きみの肌、なめらかで吸いつくようだ」

「…速水さんも、ゲジゲジのくせに、すごいスベスベ…」
「何だそれは」
「だって…だって、意地悪なこと言ってないと…は、恥ずかしくて死んじゃいそう…!」

「この…ひねくれ者」



「……んっ、あ、ぁ!」
「マヤ、もうこんなに溢れてる」
「え?な、なにが、――あっ」

「…ここ、か?」
「あぁ!な、なにっ?…あっ、…あぁ!」

「やぁ――っ、お、おかしくなっちゃう…っ!」
「おかしくなってしまえ――」

「あっ、…ん――んっ」


「あぁ、ぁ」
「マヤ、ひざの力抜いて」
「…は、速水さん?や、めて」
「きみの体に、負担をかけない為だ」



「ああっ、いや、ダメ」
「…マヤ、言う通りにしないと、後でつらくなるんだ」
「でも…、でも…!」
「マヤ――…」


「あっ…」

「……わかるか」
「え……な、に?」
「きみに、当たっているだろう。これが…入るんだ…ここに」
「……っ、……………………うそ」
「嘘なものか」

「手を…、確かめてみろ」
「えぇ…っ、え、ええ…っ!?」


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