好きと嘘と、キスの値段。#四泊目


ここまでして、きみがマンションに居続ける理由がわからない。
きみはおれのことが嫌いなんじゃないのか?

おれはずっと無理強いはしていないはずだ。
全部きみが言い出したことだ。
おれが提案したことがあったとしても、受け入れて承諾したのはすべてきみだ。
こんなこともう嫌だってきみが言えば、今すぐにでもこの行為を止めるつもりなのに…

「もっと、近くに…そんな姿勢じゃ辛いだろう」
「あ…、だって」
「…いいから、もっとくっついて」
「…はい…」

マヤ…きみはいったい何を考えているんだ…?
おれは、おれは…
勘違いしてしまいそうになる。

好きだ。
きみが欲しい。もっと。

♯五泊目


「どうした…」
「あ、いえ、なんでも、ない…です」
「…続けて」
「はい…」

キスの合間にふと目を開けると
速水さんの閉じたまぶたや、眉や額が目に映る。

触れ合っているとき以上にドキドキしちゃう。今あたし速水さんとキスしてるんだ…って改めて思えて、そうするといてもたってもいられなくなる。

ああ、また…
中心がしびれるように熱い。もどかしくて、たまらない。

…速水さんに、もっと触れて欲しい…
…身体がこんなに熱い。
こんな風に男の人を求めて、自分の身体が変化するなんてこと、あたし知らなかった…

好き。
速水さんが好き。

速水さんに、もっと触れて欲しい…。


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