リレーSS 『真澄病 ルート・ま』 by isomin様 → by isomin様 はい、そうですよと、受付嬢が顔を上げた途端に「きゃー」という奇声が病院中に木霊した。「せせせせっ、先生、速水先生を呼んで頂戴!」その声に病院中の視線が子羊に注がれた。「あ、あの…?」立ちすくみ呆然としながらも子羊は口を開いた。「駄目っ!あなた喋っちゃ駄目よ。真澄病が感染しちゃうじゃない!」受付嬢はそう言い放つと、勢い良く後ずさった。「こんな凄い真澄病患者は見た事無いわ…」ぶつぶつ言いながら子羊を観察する受付嬢の顔は、何故だか頬を赤く染めて瞳をこれでもかと潤ませていた。 「一体なんの騒ぎだ!」田舎の病院には不似合いな速水の登場に、待合室にごった返す患者達から切ないため息が漏れた。「君!真澄病は感染症では無いと何度言ったら解るんだ?もともと真澄病は…いや、なんでも無い。とにかく静かにしてくれたまえ。」「ですが先生、これだけの患者さんが…それにあちらの方が…」眉間にしわを寄せたまま速水が振り返ると、顔を真っ赤にして今にも倒れそうな子羊が立っていた。「きっ、君は…水城君、準備を急いでくれ。この患者は今すぐ処置が必要だ。」すぐ傍に控えていた水城はニタリと笑うと静かに頷いた。 ![]() 『ルート・ま 完結編その1』へ進む 『ルート・ま 完結編その2』へ進む ■真澄病トップへ戻る ■トップページへ戻る |