リレーSS 『真澄病 ルート・す by み様 → by あき様



数日前に耳にした「真澄科」の噂。毎夜あっちこっちで速水真澄を求めるわたしはどこかおかしいのではないか、と、藁にもすがる思いでそこへ向かったのだ。扉から顔だけ入れて尋ねたわたしの顔に、そこにいたすべて人の眼が一斉に注がれる。思わず踵を返したくなる。「あなた、新入りね。こちらへいらっしゃいな」泣きそうなわたしに、妖艶な雰囲気を纏ったひとりの女性が、私にきれいな笑みを向けていた。

「みなさんマヤ液の治療をお待ちなんですよね」
「ええ、でもお薬が不足しているの。マヤ液は不定期で届けられるから、いつ自分の順番が回ってくるか全くわからないの」美しい女は言った。
「そうですか。それでは、治療を受けるまで、このつらい症状が続くのですね」
私はため息をついた。治療を受けない限り、寝ても覚めても速水真澄に対する爛れた妄想が頭から離れることはないのだ。仕事をしていても、買い物をしていても、お風呂に入っている時も、恋人や夫の側にいる時でさえ・・・。
私が落胆していると、美しく艶やかな女はそっと私の耳元で囁いた。薔薇の香りがした。
「大きな声では言えないけれど、あなた、マヤ液を使わない治療法はご存知?
水城先生の開発された治療法なんだけど、眠っている間に、脳に直接作用させる方法なの・・・簡単に言うと、脳をだますのね・・・うふふ。」
「どんな治療をするのですか?」私は訝しんで女の顔を見た。
「速水真澄に抱かれるの」
言い終わると女は蟲惑的な微笑を浮かべて私の顔を見た。







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